TOP >  技術資料 Q&A  >  レーザ加工Q&A Q1-8 レーザビームの偏光とはなんでしょうか

レーザ加工Q&A Q1-8 レーザビームの偏光とはなんでしょうか

レーザ加工Q&A Q1-8 レーザビームの偏光とはなんでしょうか

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
レーザ加工Q&A Q1-8 レーザビームの偏光とはなんでしょうか

光は電磁波ですが,太陽光や電球では振動方向がいろいろ混ざっているので特定の振動方向がなく,無偏光またはランダム偏光と言われています。

レーザ光の場合も共振器で増幅された光の振動方向は無偏光(ランダム偏光)でありますが,共振器内に偏光子を入れて特定の方向の振動を通すことで偏光させることができ,いくつかの例を図14に示します。

位相差による偏光状態

例えば同図(a)は45°方向に傾いている偏光面は垂直偏波と水平偏波に分解すると,その位相がずれていない場合にはこれを合成した合成ベクトルは同図のように直線偏光になります。

また,位相を1/4波長ずつ早めていきますと同図(b)~(d)に示すように円偏光や(a)と直角な直線偏光と変化していきます。位相差が1/4波長の整数倍でない場合は同図(e)に示すような楕円偏光になります。

①直線偏光を円偏光に変換する
この方法の代表例を図15に示しますが,45度の直線偏光を偏光ミラーで45度に反射させるとミラーにコーティングした多層膜により位相を1/4波長ずらして円偏光を得ることができます。

偏光ミラーにより直線偏光を円偏光に変換

②偏光面は加工に影響を与える
水面で反射した光は偏光の性質を示すことが知られていますが,直線偏光で切断加工をすると図16に示すように切断幅や切断溝の傾きが生じたりします。この特性を利用して最適な偏光面を制御しながら切断加工をする例がありますが,曲線の切断では同じ偏光面を維持するために複雑な制御機構が必要になります。

切断結果に与える偏光面影響

したがって偏光面の影響を無くすために先の図15に示したような手法で円偏光にすることで加工方向の影響を無くすことができます。なお,アクリルの切断では光の吸収が高く偏光による影響はほとんど受けません。

「溶接技術」 2005年5月号~9月号 掲載 荒谷 雄 著



レーザ加工の事ならおまかせ!
本サイト運営会社レーザックスの紹介はこちら!
運営会社紹介ページへ
レーザに関する情報が盛りだくさん!
レーザ加工なびTOPへ
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加