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気になる噂の種明かし 「レーザの加工精度」とは?

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気になる噂の種明かし 「レーザの加工精度」とは?

「レーザ加工って精度いいんですよね?」が結構なプレッシャーに…

お問合せで「レーザ加工って精度いいんですよね?」ってニュアンスのことをよく聞かれます。
そんなときは恐る恐る「どのくらいの精度をお求めですか?」と質問に対し質問で答えてしまうのですが、結構…いや、かなりのプレッシャーを感じます。

単純に「加工精度」と言われてしまうと機械加工には全然かなわないワケで…多分「加工速度が速いのにそれなりの精度が出る」と考えていただけると「まぁ、精度いいと思います(笑)」と言いやすいです。
要は精度と時間軸の関係で考えていただけるとレーザ加工は、精度のいい有効な手段だと思います。

そんな理由からレーザ加工機は「高速なのに高精度」がキーワードであり、レーザ加工の精度において「走査系」と呼ばれる足回り部分やそれを構成する「駆動方式」を知っておく必要があります。

今回はその「走査系」や「駆動方式」について少し深掘りしたいと思います。

「走査系」で精度も費用も様々、ここの選択が先ず重要!

レーザ設備を構成する上で「走査系」に何を持ってくるか?そこが先ず大きな分岐点となります。
ここで判断を失敗するとお求めの精度を出すことができなくなるので要注意です。
レーザ設備は大きく3タイプの走査系が主流です。

◇XY(Z)ステージ

X軸・Y軸方向の移動が基本であり、平面的な動きを高精度に制御が可能

<メリット>
・ステージの移動範囲に応じて、広いエリアの加工が可能
・ボールねじ+サーボモーターなどを使えばμm単位の
 精度が出せる

・加工対象のサイズや要求精度など求める仕様に合わせた
 設備チョイスがしやすい


<デメリット>
・摩耗・振動の影響を受けやすい、長時間運転や高速移動
 で精度が低下することがある

・広範囲加工を実現するにはステージ自体が大きくなる
 ため、装置が大型になりがち

・メンテナンスが必要、ガイドレールやボールねじの
 潤滑、清掃が定期的に必要
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◇ガルバノスキャナ

2枚の高速可動ミラー(X軸・Y軸)を使ってレーザを反射させて走査、モーターでミラーの角度を変えレーザの照射位置を高速に移動させることができる

<メリット>
・ミラーの回転だけでレーザを移動できるため、
 高速で走査することができる
・微細な角度制御によりμm単位の精度が可能
・機械的な移動がないため、摩耗が少なく長寿命
・機構が小型で装置全体の省スペース化が可能

<デメリット>
・加工範囲が限定される、広範囲の加工は苦手
・ミラーの角度が変わると焦点位置がズレる可能性が
 あり、
加工品質の不安定さにつながる
・基本的に平面加工が前提、立体物には工夫が必要
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◇多関節ロボット

6軸(またはそれ以上)の多関節アームにより
複雑な軌道や姿勢制御が可能


<メリット>
・XYZの直線移動だけでなく、曲面や
 立体物へのレーザ加工が可能
・加工対象に合わせて柔軟なレイアウトが取れる
・他のロボットや搬送装置と連携しやすい。
・省スペース化が可能、多工程の統合もしやすい

<デメリット>
・位置精度や軌跡精度がやや劣る、
 加工速度も中程度
・多軸協調制御が必要で、プログラミングや
 ティーチングに専門知識が必要
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◇各走査系の比較

ガルバノスキャナはレーザが「質量を持たないエネルギー」であるからこそできるレーザ専用走査系と言えますね。
昨今では3Dスキャナや広範囲スキャナなど進化を続けています。今後も注目の走査系です。

◆今回は精度の話なので「駆動方式」も深掘り

精度を求め、加工エリアも設けたいってなるとXY(Z)ステージ走査系が一番バランスがいいなと思います。
レーザックスの保有設備もほとんどがこのタイプです。NC制御の操作系と組み合わせるとかなり色々なことができるのもメリットのひとつです。

ただXY(Z)ステージ走査系でも「駆動方式」で全然精度やスピードが違ってきます。
レーザ設備で使われている主流の駆動方式についてもう少し深掘りしてみましょう。

◇リニア駆動

モーター自体が直線運動を行う方式で
ボールねじが不要。

一般的なモーターを平面形状にしたイメージ。

<メリット>
・高速・高加速度の動作が可能
・機械的な摩耗が少なく、メンテナンス性が高い
・高精度な加工に適している

<デメリット>
・初期コストが高い
・磁場の影響を受けやすい環境では注意が必要
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◇ボールねじ(+モーター)駆動

ボールねじを使うことでモーターの回転運動を直線運動に変換します。
ねじ軸とナット間にボールが循環する事で摩擦係数が非常に小さくなるため、
エネルギー効率の高い所が主な特徴です。

<メリット>
・高速、高精度な加工が可能
・トルク制御ができ、負荷変動にも強い
・フィードバック制御により脱調しにくい

<デメリット>
・定期的なメンテナンスが必要
(潤滑やバックラッシュ調整等)
・高速運転時にねじの共振や振動が発生することがある
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◇ベルト(+モーター)駆動

モーターの回転をタイミングベルトで伝達し、
スライドを動かす方式。
精度よりもスピードやコスト重視の用途に
多く使われます。

<メリット>
・構造がシンプルで軽量
・コストが安く、静音性が高い
・高速移動が可能(軽負荷時)

<デメリット>
・ベルトの伸びや摩耗による位置精度の低下
・高トルク・高精度が求められる加工には不向き
・定期的な張り調整や交換が必要
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◇駆動方式の比較
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九州営業所:〒812-0892 福岡県福岡市博多区東那珂3-1-41

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