「溶接ニュース」 溶接女子、誕生
週刊「溶接ニュース」
フレッシュマン特集 「溶接女子、誕生」より
株式会社レーザックス 新開潤子
体験! レーザ溶接
今回の体験者
装置メーカーの女性スタッフ。レーザ溶接どころか、TIG溶接、アーク溶接、ガス溶接などいずれも経験したことがないという溶接初心者。
◇
今回レーザ溶接に使用したのは、初心者でも溶接しやすいというハンドトーチ型レーザ溶接機。メーカーのオペレーターを講師に迎え、レーザ溶接を体験させてもらった。
溶接に先立ち、まずは安全対策の説明を受けた。レーザは取扱いを誤ると大変危険なので装置にも安全対策が施されており、条件が揃わないとレーザが出ない仕様になっている。まずは、レーザを遮ることができる専用の保護面または保護メガネを装着する。次にクリップをワークか加工テーブルに取り付けて電気の導通を取る。準備ができたら装置付属のフットスイッチを踏みながら、トーチの先端をワークに接触させた状態でトーチのボタンを押す。全ての条件が満たされてはじめてレーザが照射される仕組みだ。
今回のワークは厚さ1ミリのステンレスプレート。突合せ溶接で、2枚のプレートを並べての溶接にチャレンジする。溶接の条件設定については、あらかじめ設定済みのレシピを呼び出して対応した。今回の条件はピークパワー1250W、パルス発振のQCWモードで発振間隔は1秒間に12回。アシストガスは窒素を使用した。
実際にトーチを握って構えてみると、トーチはやや大きめのマジックペン程度の大きさで持ちやすい。ただ、ワークに向かって構えてみると、トーチから出ているケーブル部分で少し下向きに引っ張られる感じがしたので、ケーブルを肩に掛けてみたら体勢を取りやすくなった。まずは2枚の仮付けに取りかかる。
■ステップ1:仮付け
先ほど説明を受けた通り、保護面を装着してフットスイッチを踏みながら、トーチをワークに接触させると焦点を示す赤いガイド光が出現。ガイド光がぼやけて見えるとレーザもぼやけて十分な溶込み深さが得られないとの事で、トーチの角度を変えてガイド光がくっきり見えるポイントを探した。溶接したい個所にガイド光が当たるように場所を調整して準備完了。
仮付けではトーチを動かさずに同じ場所で4回発振した。1度目は想像よりも大きな音と眩しさにひるんでしまい、的が外れて失敗。2度目で何とか2枚の間にレーザ光を当てられて仮付けすることができた。
写真1
まずは仮付けに挑戦したが、1度目のトライでは的がずれて失敗(下)。2度目(上)も少し外れているが、何とか2枚のプレートを溶接できた。
■ステップ2:本溶接
本溶接も仮付と同条件、パルス発振の1250Wで行うことに。定規を使って直線を引くようにするとまっすぐ溶接できるとの説明を受け、まずはガイド用の鉄板を添えてガイド光を見ながら溶接個所をなぞって動かし、動かし方の雰囲気をつかんでから本溶接を実行。
トーチを一定速度で動かしてビードを少しずつオーバーラップさせるのがポイントとの事だったが、今回は一定速度では動かすことができずにムラのある仕上がりになってしまった。それでも2枚の板はしっかり溶接されている。
写真2
本溶接を完了。ビードのピッチにムラがあるものの、一応2枚のプレートの中心を溶接することができた。
■ステップ3:仕上げ
仕上げではCWモード(連続発振モード)を使用。300Wの出力で溶接面をもう一度なぞってビードの跡を消すことに挑戦した。一度では完全に消えなかったが、二度目を終えるとビード表面が滑らかになった。
写真3
連続発振でビード表面を滑らかにする仕上げに挑戦。まだムラがあるものの、ビード跡を少し消すことができた。
◇
今回は短時間の体験だったが、初めてでも2枚のプレートをしっかりと溶接することができた。仕上がりにはまだまだ改善の余地があるが、それでもトーチを直進させる治具など整備とある程度の練習でクオリティを上げられる可能性を感じることができた。
装置紹介
ハンドトーチ型レーザ溶接機 OPTICEL FH-300(オプティセル エフエイチ 300)/株式会社レーザックス製
ファイバーレーザ発振器による高品位溶接を手持ちで実施できる、設置面積わずか1平方㍍の小型レーザ溶接機。パルス発振/連続発振の切り替えが可能な高出力モデルで、ステンレスで深さ2.5mm、鉄で深さ2mmの溶込み深さを得られる。
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装置メーカーの女性スタッフ。レーザ溶接どころか、TIG溶接、アーク溶接、ガス溶接などいずれも経験したことがないという溶接初心者。
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今回レーザ溶接に使用したのは、初心者でも溶接しやすいというハンドトーチ型レーザ溶接機。メーカーのオペレーターを講師に迎え、レーザ溶接を体験させてもらった。
溶接に先立ち、まずは安全対策の説明を受けた。レーザは取扱いを誤ると大変危険なので装置にも安全対策が施されており、条件が揃わないとレーザが出ない仕様になっている。まずは、レーザを遮ることができる専用の保護面または保護メガネを装着する。次にクリップをワークか加工テーブルに取り付けて電気の導通を取る。準備ができたら装置付属のフットスイッチを踏みながら、トーチの先端をワークに接触させた状態でトーチのボタンを押す。全ての条件が満たされてはじめてレーザが照射される仕組みだ。
今回のワークは厚さ1ミリのステンレスプレート。突合せ溶接で、2枚のプレートを並べての溶接にチャレンジする。溶接の条件設定については、あらかじめ設定済みのレシピを呼び出して対応した。今回の条件はピークパワー1250W、パルス発振のQCWモードで発振間隔は1秒間に12回。アシストガスは窒素を使用した。
実際にトーチを握って構えてみると、トーチはやや大きめのマジックペン程度の大きさで持ちやすい。ただ、ワークに向かって構えてみると、トーチから出ているケーブル部分で少し下向きに引っ張られる感じがしたので、ケーブルを肩に掛けてみたら体勢を取りやすくなった。まずは2枚の仮付けに取りかかる。
■ステップ1:仮付け
先ほど説明を受けた通り、保護面を装着してフットスイッチを踏みながら、トーチをワークに接触させると焦点を示す赤いガイド光が出現。ガイド光がぼやけて見えるとレーザもぼやけて十分な溶込み深さが得られないとの事で、トーチの角度を変えてガイド光がくっきり見えるポイントを探した。溶接したい個所にガイド光が当たるように場所を調整して準備完了。
仮付けではトーチを動かさずに同じ場所で4回発振した。1度目は想像よりも大きな音と眩しさにひるんでしまい、的が外れて失敗。2度目で何とか2枚の間にレーザ光を当てられて仮付けすることができた。
写真1
まずは仮付けに挑戦したが、1度目のトライでは的がずれて失敗(下)。2度目(上)も少し外れているが、何とか2枚のプレートを溶接できた。
■ステップ2:本溶接
本溶接も仮付と同条件、パルス発振の1250Wで行うことに。定規を使って直線を引くようにするとまっすぐ溶接できるとの説明を受け、まずはガイド用の鉄板を添えてガイド光を見ながら溶接個所をなぞって動かし、動かし方の雰囲気をつかんでから本溶接を実行。
トーチを一定速度で動かしてビードを少しずつオーバーラップさせるのがポイントとの事だったが、今回は一定速度では動かすことができずにムラのある仕上がりになってしまった。それでも2枚の板はしっかり溶接されている。
写真2
本溶接を完了。ビードのピッチにムラがあるものの、一応2枚のプレートの中心を溶接することができた。
■ステップ3:仕上げ
仕上げではCWモード(連続発振モード)を使用。300Wの出力で溶接面をもう一度なぞってビードの跡を消すことに挑戦した。一度では完全に消えなかったが、二度目を終えるとビード表面が滑らかになった。
写真3
連続発振でビード表面を滑らかにする仕上げに挑戦。まだムラがあるものの、ビード跡を少し消すことができた。
◇
今回は短時間の体験だったが、初めてでも2枚のプレートをしっかりと溶接することができた。仕上がりにはまだまだ改善の余地があるが、それでもトーチを直進させる治具など整備とある程度の練習でクオリティを上げられる可能性を感じることができた。
装置紹介
ハンドトーチ型レーザ溶接機 OPTICEL FH-300(オプティセル エフエイチ 300)/株式会社レーザックス製
ファイバーレーザ発振器による高品位溶接を手持ちで実施できる、設置面積わずか1平方㍍の小型レーザ溶接機。パルス発振/連続発振の切り替えが可能な高出力モデルで、ステンレスで深さ2.5mm、鉄で深さ2mmの溶込み深さを得られる。
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