マーカなのにハイパワー!?レーザ職人が選んだ 【二味違う】CO2マーカとは!?
高出力でチョット波長の違うCO2レーザマーカ”SR15i”は
本年度レーザックスに導入された最新設備!
レーザックス本社工場(愛知県知立市)では、今年度4月に最新設備 Luxinar社製 RF励起スラブCO2レーザマーカ『SR15i』を導入、8月より本格稼働を開始いたしました。
本ブログ記事にて初めての情報公開となる為、みなさまどんな特徴を持っている加工機なのか気になっていることでしょう! そこで今回は
「なぜレーザックスはSR15iを導入したのか?」
「SR15iって、どんなことができるのだろうか?」
主にこちらの2点について、ご説明していこうと思います。
なぜレーザックスは高出力CO2レーザマーカ”SR15i”を導入したのか?
それは様々な材質、加工方法に幅広く対応する為である!
まずはレーザックスがSR15iを導入した背景からご説明いたします。
レーザックスは、様々なお客様からレーザ加工の御相談をいただき、日々対応させていただいております。その中には、聞いたことのないような新素材など、一般的ではない素材の加工依頼の相談もございます。
レーザ波長の中でも長い波長であるCO2レーザは、ほとんどの素材で光を吸収してくれることから、対応の幅が広いレーザという特徴があります。
レーザックスもCO2レーザを保有しており様々な加工対応を実施しておりますが、金属加工用の設備の為薄い樹脂フィルムへの加工、細かな樹脂へのマーキングなどは不得意としておりました。そこでCO2レーザマーカの導入を考えましたが、一般的なCO2レーザマーカの出力は数十W。マーキングや樹脂フィルムの加工は十分できますが金属加工には出力不足と、幅広い素材や加工に対応するにはちょっと物足りない、という悩みもありました。
「不得意としていた加工もバッチリ対応したい。」
「特徴的なレーザを保有することで樹脂以外の素材でも新たな加工価値を見出したい。」
そういった思いで、レーザックスは高出力CO2レーザマーカ“SR15i”を導入しました。
◆特徴の説明前に…そもそもCO2レーザってナニ?
設備の特徴を説明する前に、CO2レーザとはどのようなレーザか簡単に説明いたします。
CO2レーザとは気体レーザの一種で、CO2(炭酸ガス)とヘリウムや窒素を混合したガスを媒質としているレーザ光のことを指します。一般的には9.2~10.8µm程度の中~遠赤外の波長帯となります。
他のレーザと比較して長い波長を有しているので他のレーザ波長では加工が困難である透明樹脂や石英ガラスといった素材を加工する事が可能です。 反面、ガラスが加工できてしまうので、ガラスで出来ている光ファイバーを通す事ができず、発振器から加工点まではミラー(鏡)の反射で伝送しなければならないレーザでもあります。
また、アルミや銅といった、光を反射してしまう高反射材の加工は不得意としており、 アルミに対しては、CO2レーザでは95%以上が反射されてしまいます。
レーザ波長に関しましてはこちらの記事で詳しく説明しております!
→教えてレーザックス!第2弾!レーザと素材の相性診断♡波長が決め手の加工特性♡
澁谷工業製CO2レーザ切断機「SAM」 |
レーザックスで既に導入済みのCO2レーザ。 薄板金属の精密切断から樹脂、ゴム、 セラミックスなど様々な材質へのレーザ切断が可能なレーザですが、主に薄板金属の切断用に使われるレーザの為薄い樹脂フィルムへの加工や細かいマーキング加工は苦手としております。 <アプリケーション> 切断、孔あけ <主な適応材料> 金属(薄板)、石英ガラス、樹脂、 ゴム、セラミックス |
SR15iの加工スペックと特徴のご紹介
<レーザスペック>
★“二味”違う!?SR15iの特徴
◆出力が一般的なCO2マーカの数倍! 最大出力130W
高出力な為薄い金属シートの切断や金属と樹脂の複合材への加工も可能!
また、樹脂フィルム包材だけでなくアルミ包材も切断することが可能です。
◆普通のCO2レーザとはちょっと違う波長にしました
一般的なCO2レーザ波長は10.6µmですが、当社ではあえて9.3µmの波長にしました。
9.3µmの短いCO2レーザの波長は、樹脂への吸収率が高いと言われております。
特徴的な波長のレーザを選定することで、材質に応じたより最適で高品質な加工ができることを目指しております。
<設備スペック>
★こんな機能もあります!加工設備の特徴★
◆サーボアンプ内蔵のコンパクトスキャナ搭載!
スキャナはNewson社製レーザ用スキャナシステムを搭載。サーボアンプが内蔵されており、非常にコンパクトなスキャナです。 また、ムービングコイル型のモータを採用しているため、エネルギー変換効率が 非常に高く、温度ドリフトなど熱による影響が非常に小さいのが特徴です。 |
◆反射光対策もバッチリ!
高反射金属を加工する際にレーザが反射してしまい、発振器まで戻ってしまうと発振器にダメージを被る事があります。 SR15iにはATFR(吸収型薄膜反射ミラー)を取り付けているので、加工対象に高反射金属があっても加工試験に関しましては対応することが可能です。 |
◆特殊な集塵ノズルを搭載!
SR15iでは広域に発生する粉塵や煙を効果的に集める専用集塵ノズルを採用しております。
螺旋状の気流を発生させることで、粉塵や煙を飛散させること無く吸い込むことができます。
SR15iでできる加工サンプルのご紹介
最後に、今回ご紹介したCO2レーザマーカSR15iを使用した加工サンプルを材料別にいくつかご紹介いたします。
★樹脂素材への切断加工 ◆アクリルt=10mmの切断 130Wの出力があれば板厚10㎜のアクリルを 透明度を保ったまま切断することが可能! もちろん出力だけでなく適切な条件設定の成せる業です。 |
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◆テフロンの切断 テフロンはIR(近赤外)波長は吸収されにくく加工の際の遮光材に使われますが、 CO2レーザであれば容易に切断が可能です。 写真のように細かな形状でもきれいに切断できます。 |
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◆消しゴムへの彫刻加工 消しゴムなど、ゴム製品の加工も可能。 今回は消しゴムにレーザで文字を彫刻し、 消しゴムはんこを作ってみました。 |
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★皮革へのマーキング加工 ベルトにレーザマーキングをしてみました。 皮革といった素材も燃やさず加工ができます。 オーダー品等、特別なデザイン加工に役立てるかも…!? |
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★石へのマーキング加工 石の表面に文字をマーキングすることも可能。 石碑作りに、レーザが使えるかもしれません!? |
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★金属素材(SUS材)へのマーキング加工 SR15iでは、樹脂だけでなくSUSをはじめとした 金属へのマーキングももちろん可能です。 |
いかがでしたか?前述の通りCO2レーザの光は、ほとんどの素材に吸収されるため、 様々な材質に対して加工が可能です。
「こんな素材にも加工できるかな?」 と思ったそこのあなた!レーザックスにお気軽にご相談ください♪
最新設備 SR15iはレーザックス本社工場(愛知県知立市)にて本格稼働開始!
今回ご紹介しましたレーザックス最新加工機、SR15iはレーザックス本社工場(愛知県知立市)にて本格稼働を開始いたしました! 「聞いたことのない材質の加工依頼が来たけど、できるか分からない…レーザックスでできますか?」 「レーザマーカを既に使用しているけど、出力不足で加工し切れないものがある。更には良い設備が中々見つからず、相談したい。」 レーザックスでは1個からの試作・テスト加工から始めることが可能、経験豊富なオペレーターがお客様の加工をサポートいたします! もちろん、SR15i以外にも加工機が充実!お客様の求める加工に応じた加工設備を提案いたします。レーザ加工の委託・導入を検討されておりましたら、是非ご活用ください! |
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◆◆◆レーザックスは1個の試作・テスト加工からでもOK、ぜひご相談ください。◆◆◆