レーザ加工Q&A Q1-4 レーザ光はどのようなエネルギー分布になっていますか
レーザ光の断面の光強度分布は共振器の種類によりさまざまの分布を示しており,これを横モードすなわちTEMnm(n,m=0,1,2……)で示しています。TEM00は図10(a)に示すようにレーザ光の断面強度分布がガウス分布をした基本モードでガウスモード,シングルモードとも言われています。これに対し複数のモードが混ざり合った高次モードは同図(b)(c)のようにTEM10,TEM20等のマルチモードとなります。
CO2レーザは波長が10.6μmと長く目で見ることはできませんが,アクリル板に照射して蒸発した部分の形から強度分布を測定することができます。一般にこの方法で測定した形状をバーンパターンと称しています。写真は(a)TEM00のモード,(b)TEM10のバーンパターンを測定した例です。
Nd:YAGレーザはアクリルを透過してしまうためこの方法が取れず,いくつかの方法がありますが,kWクラスの高出力のエネルギー分布は一般にビームプロファイラーで測定されます。図11はファイバーからでたレーザ光のプロファイル測定した例です。Nd:YAGレーザ光を直接光学系で集光する場合はガウス分布になり,高密度に集光できるので微細加工,精密切断,孔(穴)加工などで広く使われています。しかしファイバーを通すとこの図のように高次のマルチモードになりやすく,釣鐘状,山高帽子状と呼ばれることもあります。
「溶接技術」 2005年5月号~9月号 掲載 荒谷 雄 著
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