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レーザ加工Q&A Q2-3 炭酸ガスレーザの伝送方法を教えてください

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レーザ加工Q&A Q2-3 炭酸ガスレーザの伝送方法を教えてください

炭酸ガスレーザでは波長が10.6μmと長いためファイバー伝送ができず,ミラー伝送が利用されてい ます。ビームは発振器から加工ヘッドまで目的に応じて複数のミラーを経由して伝送されます。伝送距離はレーザが優れた指向性を持つ特性から長距離伝送が可 能で,別建屋の工場から加工現場に伝送される例もあります。

ミラーは一般に基板に銅を用い表面に金または銀メッキをしていますが,近年ではシリコンに金または銀をメッキし,さらにZnSeとThF4を交互に蒸着した誘電体多層膜により99.6%以上の反射率を得ています。切断加工では図3(a)に 示すように発振器から水平に長距離伝送された光ビームをミラーで下向きにしてレンズで加工点(切断表面)に集光しています。レンズの材料は炭酸ガスレーザ の波長にあったZnSe(ジンクセレン),GaAs(ガリウムアーセン),Ge(ゲルマニウム)等が使用され,かつ,無反射コーティング(ARコート)が されています。

また,同図(b)は2個のミラーで光ビームを折り曲げた例で,この場合は集光レンズの代わりに放物面鏡(パラボリックミラー)を使用しています。高出力のレーザで加工する際はレンズが熱吸収で破損するため水冷が可能な放物面鏡が使用されています。

ミラー系ビーム伝送

発振器自体は塵埃,熱,湿気,振動,等の外乱から堅牢に守られていますが,加工点までの伝送空間や加工点近傍 ではとくに塵埃や金属蒸気が多く,ミラーの表面が汚れやすくなっています。そのためレーザビームのエネルギーでミラーの表面が熱反応で汚染され機能が低下 するので注意を要します。

「溶接技術」 2005年5月号~9月号 掲載 荒谷 雄 著



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