【レーザックスで】電子ビーム溶接VSレーザ溶接【比べてみました】
はじめに
株式会社レーザックスでは、15年以上も前から電子ビーム溶接を行ってきましたが、 2015年夏にも三菱電機製電子ビーム溶接機を新規導入しました。
レーザジョブショップがなぜ電子ビーム? とお思いの方もいらっしゃるかも知れません。
でも実は、レーザが苦手としている材料に対して、電子ビームが有効なケースがあるのです。
そこでレーザックスでは、お客様のワークに合わせて、レーザだけでなく電子ビームも 選択肢に入れて加工機を選定し、試作から量産まで幅広く受託しております。
さて今回は、たぶんジョブショップである当社しか試せないと思われる 「電子ビーム溶接VSレーザ溶接」をいろいろ比較してみました。
電子ビームとは
電子ビーム溶接とは、融接に分類される溶接の一種。真空中でフィラメントを加熱させ、 放出された電子を高い電圧で加速させ、電磁コイルで収束させたうえで、 母材に衝突させ溶接を行う方法です。
電子ビーム溶接の主な特徴とメリット・デメリット
■主な特徴 ・真空中で溶接するため酸化が発生しない、窒化、水素脆性が発生しにくい ・電子線なので磁気制御によるウィービング等が行えることにより、ひずみ・スパッタを低減 ・電子ビームでは反射が生じないので、ほぼ全てのエネルギーが熱に変換されるため、 レーザでは溶接が困難な高反射材の高品質溶接が可能
■メリット ・アルミニウム合金や銅合金など高反射材での深溶込み溶接 ・チタン合金など酸化しやすい活性金属の溶接での欠陥低減
■デメリット ・蒸気圧の差により材料組成の変化が生じやすい ・加工時間のほかに真空排気時間が必要 ・真空チャンバー内に金属蒸気が付着するため清掃が必要
電子ビームVSレーザ
①純アルミA1050(高反射材)
レーザでもCW(連続波)による溶接であれば純アルミも溶接できますが、スパッタの発生があり表面に 凹凸が見られます。純アルミの場合、電子ビームの方がきれいな仕上がりを得られます。
電子ビームVSレーザ
②無酸素銅 C1020(高反射材)
レーザをよく反射する銅合金ですが、電子ビームでは反射が生じないので、ほぼ全てのエネルギーが 熱に変換され、t3.0mmに対し溶込み深さ2mm程度の溶接が健全に施工できます。 レーザで銅合金の溶接を行おうとすると、出力が低いうちは反射してしまいます(レーザの右側写真)。 出力を上げると溶融する条件領域が現れますが、ビード表面が荒れてしまいます(レーザの左側写真)。
電子ビームVSレーザ
③高炭素鋼S50C
電子ビームは真空中での溶接となり、大気を遮断している為、酸化物や窒化物の発生が抑えられます。 熱を伝える大気が無いので冷却速度はレーザよりも遅くなるため、クラックも入りにくくなります。
まとめ
いかがでしたか? レーザでは困難な溶接加工において、電子ビーム溶接が有効なケースがあることが ご理解いただけたかと思います。電子ビーム溶接のポイントをまとめます。
・深溶込みと低歪み溶接を実現
・チタン合金など酸化しやすい活性金属での溶接欠陥を低減
・高融点の異種金属溶接に有効
※異種金属溶接に関しては、素材の性質の関係でレーザ溶接同様加工できない組み合わせも御座います。
高反射材(純銅・純アルミ等)の溶接に有効 電子ビーム溶接ことなら、試作~量産まで、ぜひレーザックスにご相談ください。
株式会社レーザックス
営業部 TEL 0566-83-2229
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でも実は、レーザが苦手としている材料に対して、電子ビームが有効なケースがあるのです。
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さて今回は、たぶんジョブショップである当社しか試せないと思われる 「電子ビーム溶接VSレーザ溶接」をいろいろ比較してみました。
電子ビームとは
電子ビーム溶接とは、融接に分類される溶接の一種。真空中でフィラメントを加熱させ、 放出された電子を高い電圧で加速させ、電磁コイルで収束させたうえで、 母材に衝突させ溶接を行う方法です。
電子ビーム溶接の主な特徴とメリット・デメリット
■主な特徴 ・真空中で溶接するため酸化が発生しない、窒化、水素脆性が発生しにくい ・電子線なので磁気制御によるウィービング等が行えることにより、ひずみ・スパッタを低減 ・電子ビームでは反射が生じないので、ほぼ全てのエネルギーが熱に変換されるため、 レーザでは溶接が困難な高反射材の高品質溶接が可能
■メリット ・アルミニウム合金や銅合金など高反射材での深溶込み溶接 ・チタン合金など酸化しやすい活性金属の溶接での欠陥低減
■デメリット ・蒸気圧の差により材料組成の変化が生じやすい ・加工時間のほかに真空排気時間が必要 ・真空チャンバー内に金属蒸気が付着するため清掃が必要
電子ビームVSレーザ
①純アルミA1050(高反射材)
レーザでもCW(連続波)による溶接であれば純アルミも溶接できますが、スパッタの発生があり表面に 凹凸が見られます。純アルミの場合、電子ビームの方がきれいな仕上がりを得られます。
電子ビームVSレーザ
②無酸素銅 C1020(高反射材)
レーザをよく反射する銅合金ですが、電子ビームでは反射が生じないので、ほぼ全てのエネルギーが 熱に変換され、t3.0mmに対し溶込み深さ2mm程度の溶接が健全に施工できます。 レーザで銅合金の溶接を行おうとすると、出力が低いうちは反射してしまいます(レーザの右側写真)。 出力を上げると溶融する条件領域が現れますが、ビード表面が荒れてしまいます(レーザの左側写真)。
電子ビームVSレーザ
③高炭素鋼S50C
電子ビームは真空中での溶接となり、大気を遮断している為、酸化物や窒化物の発生が抑えられます。 熱を伝える大気が無いので冷却速度はレーザよりも遅くなるため、クラックも入りにくくなります。
まとめ
いかがでしたか? レーザでは困難な溶接加工において、電子ビーム溶接が有効なケースがあることが ご理解いただけたかと思います。電子ビーム溶接のポイントをまとめます。
・深溶込みと低歪み溶接を実現
・チタン合金など酸化しやすい活性金属での溶接欠陥を低減
・高融点の異種金属溶接に有効
※異種金属溶接に関しては、素材の性質の関係でレーザ溶接同様加工できない組み合わせも御座います。
高反射材(純銅・純アルミ等)の溶接に有効 電子ビーム溶接ことなら、試作~量産まで、ぜひレーザックスにご相談ください。
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営業部 TEL 0566-83-2229
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