【4月より稼働!】レーザックスでレーザハイブリッド溶接(ブルーレーザ+IRファイバーレーザ)が実験できます!
♦需要が増す電動化のキーマテリアル:銅材料の溶接
ガソリン車(内燃機関)⇒電気自動車への移行とともに、銅材料の使用量は3倍以上になるといわれております。 それに伴い、銅材料の加工技術に注目が集まる中で銅材料の接合技術となる「溶接」のニーズも高まっております。 溶接技術の中で自動化に有利とされるレーザ溶接ですが、従来、銅材料に対しレーザは「光吸収」の面から難しいものとされてきました。ところが昨今のレーザ技術の発展に伴い、銅材料に対する光吸収の良い「ブルーレーザ」が産業用レーザとして普及しつつあり、今後の銅材料へのレーザ溶接適応に向けて期待が高まりつつあります。 |
ただ、現段階ではブルーレーザも後述のような課題もあり、レーザックスではそれらの課題を解決するため、
ブルーレーザとIRファイバーレーザを重ねてハイブリッド化 することで溶け込みの深い安定した溶接が出来る
レーザ加工ヘッド:OPTICEL HVシリーズをリリースしております。
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♦レーザテクニカルセンター(横浜市港北区)にHWシリーズ導入!
銅材料へのレーザ溶接のニーズが高まる中、2023年4月よりブルーレーザ+IRファイバーレーザのハイブリッド溶接をお試しいただける場所をレーザックス レーザテクニカルセンター(横浜市港北区)に準備しました。 レーザテクニカルセンターではワブリング機能を兼ね備えた新作レーザ加工ヘッド【ハイブリッドワブリングヘッド:HWシリーズ】を導入。更に高品質な銅材料レーザ溶接の提案を目指します! |
♦2波長のレーザを融合させることで良好な銅材料溶接が実現!
<溶け込みは得られるが、スパッタや不安定なビードに苦慮するIRファイバーレーザ>
IRファイバーレーザ(シングルモード・500W)でC1100にビードオンプレートを実施。上写真のように深い溶け込みは得られるのですが、多くのスパッタが発生し表面が荒れていることが分かります。
<光吸収性は良いが熱伝導型溶接となるブルーレーザ>
一方、ブルーレーザ(1.8kW)で同様のビードオンプレートを実施。ブルーレーザは左表のように銅に対する光吸収率がIRファイバーレーザより優れていますが、レーザ発振の構造上、集光径が大きくなります。エネルギー密度が十分に得られず、レーザ溶接特有のキーホール溶接ではなく熱伝導型の溶接となり、溶け込みが浅くなる傾向にあります。 逆に表面ビードは美しい仕上がりとなります。 |
<IRファイバーレーザとブルーレーザの良いところ取りができるレーザハイブリッド溶接>
レーザックスが提供するハイブリッドヘッドはIRファイバーレーザとブルーレーザを同軸上に重ねて照射できるユニットです。そのため、それぞれのレーザの「良いところ」を活かし、銅材料へのレーザ溶接を最適化しました。 左図のようにブルーレーザで銅材料への光吸収を促し、IRファイバーレーザの高いエネルギー密度でキーホール溶接による深溶け込み溶接を実現します。 写真はIRファイバーレーザとブルーレーザを合わせた「レーザハイブリッド」で実施したビードオンプレートの断面およびビード外観です。ブルーレーザのような美しい表面状態を保ちつつ、IRファイバーレーザのような深い溶け込みを得ることが出来ます。 |
<ワブリング機能も追加、溶接品質がさらに向上!>
今回レーザテクニカルセンターに導入されたハイブリッドワブリングヘッドはその名の通り、ワブリング機能も備え付けております。
ワブリング機能とは下図の通りレーザ光を回転する機能のことでビードを太くすることができ、「溶接位置ずれによる溶け込み不足」「スキマによる溶接不良」など、ワークのばらつきに起因する溶接不良の改善が見込めます。
♦レーザハイブリッド溶接がレーザックスで試せます!