レーザックス本社工場(愛知県知立市)に導入決定‼ TRUMPF社製 ナノ秒パルスファイバーレーザー『TruPulse2020nano』とは?何なの??
♦ナノ秒レーザとは?
産業用レーザの分類として、一般的には『レーザ媒質』(固体、気体、半導体など)や『波長』(IR、グリーン、ブルーなど)で区別されます。それに加えレーザの発振形態でも分類され、特にパルスレーザではパルス幅で分類・呼称する場合があります。 1000分の1秒 ⇒1ミリ秒(ms) 100万分の1秒⇒1マイクロ秒(μs) 10億分の1秒 ⇒1ナノ秒(ns)⇒ナノ秒パルスレーザ 近年のパルスレーザは「短パルス/高ピーク」化が進んでおり、特に短いパルス幅での加工はワークに与える熱影響が少なく、通常のレーザでは成し得ない加工が可能となります。 |
♦TruPulse2020nanoの特徴
ナノ秒の短いパルス幅で入熱量を細かくコントロールできる『TruPulse2020nano』では下記の特徴を有しており、異種材接合から深掘りマーキングまで様々なアプリケーションへの対応が可能です。
【TruPulse2020nanoの特徴 ※メーカー資料抜粋】
・パルスコントロール性に優れたMOPAテクノロジー
(MOPA:Master Oscillator Power Amplifier(主発振器出力増幅器構成))
・パルスチューニング機能により最適な波形を選択可能
・最大4メガヘルツの高繰り返し
・ナノ秒パルスと高ピークパワーによる微細加工
♦短パルス/高ピークレーザが可能とする『ステーキング加工』の紹介
急速なeモビリティ普及に伴いアルミと銅など異なる金属の接合ニーズが高まっております。しかし、一般的なファイバーレーザの入熱量では『金属間化合物』が発生し、上手く接合できないという問題がありました。
【ステーキング加工はアンカー効果で機械的な接合】
そんな上述の課題を解決するため、今回はTruPulse_nanoを使った『ステーキング加工』を紹介します。
パルスレーザの特徴である「短パルス/高ピークレーザ」でレーザ条件を最適化し加工すると上材が下材に入り込み、下材が上材表面に押し出される『機械的な接合』を得ることが出来ます。下写真のようにStaking=(地面等に突き刺して用いる先のとがった)杭、棒状のような断面であることから『ステーキング加工」と呼んでいます。
<ステーキング加工の特徴>
・双方の金属が突き刺さったまま凝固、アンカー効果で二つの金属の結合を強固にしている。
・短時間に断続的な接合点が形成され、明らかな金属間化合物は生成されていない。
ステーキング加工には非常に短いレーザ照射時間と高ピーク出力、更に尖頭能力(突き刺す能力)が高いシングルモードレーザが適しています。また短パルス照射であるため、加工周辺部への熱影響も抑えることが出来ます。
♦ステーキング加工 適用事例の紹介
◆2023年3月末 レーザックス本社工場(愛知県知立市)に導入決定!
『TruPulse2020nano』を使った加工試験・受託加工のご依頼をお待ちしております!
今回ご紹介したTruPulse2020nanoは愛知県知立市にあるレーザックス本社工場にて設備立上げ中です。(2023年3月導入、4月中より稼動予定)
レーザックスでは試料切断機やマイクロスコープなど評価設備も充実。経験豊富なオペレータが加工実験をサポートし、お客様の課題を解決します。実験結果はプロセスを含めたレポートとして提供します。また、設備導入を検討する際は実験結果に基づき最適なレーザ機器をご提案致します。
◆◆◆◆◆◆レーザックスは1個の試作・テスト加工からでもOK、ぜひご相談ください。◆◆◆