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レーザの資料館【ブログ記事・論文資料】

レーザの専用機、はたまた相棒か。           ガルバノスキャナの魅力とは?

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レーザの専用機、はたまた相棒か。           ガルバノスキャナの魅力とは?

個人的にガルバノスキャナを「推し」ちゃいます!

先月号のメルマガでレーザ加工における精度についてウンチク申し上げましたが、
その中で「ガルバノスキャナ」を紹介しました。
私個人としては結構ガルバノスキャナって「推し」なんですよ…。

「何で?」って聞かれるとすごく単純で…「レーザ専用」みたいなところがスゴく好きなんです。
例えば…〇ンダムで言う、〇ャア専用みたいな感じです。

しかも光学系と走査系が一緒になっている部分もハイブリッドというか、お得感というか…
物価高の中で節約感を感じられるのもうれしいところです。

今回は勝手ながらガルバノスキャナを少し深掘りしたいと思います。

レーザが質量を持たないエネルギーだからこそ成り立つ仕組み!


garubano_01.jpg 仕組みとしては左図のように、ミラーが付いたガルバノモーター(以下、ガルバノミラー)を2枚配置(X軸・Y軸)し、ガルバノミラーの角度を変えながらレーザを反射させることで照射位置を走査することができます。

もしレーザが質量を持っていると、ミラーが割れたり凹んだりして、そもそもこの仕組みが成り立ちませんよね?
そのような意味で「レーザ専用」と言えます。

<特徴>
・ミラーの回転だけでレーザを移動できるため、
 高速で走査することができる
・微細な角度制御によりμm単位の精度が可能
・機械的な移動がないため、摩耗が少なく長寿命
・機構が小型で装置全体の省スペース化が可能

<デメリット>
・加工範囲が限定される、広範囲の加工は苦手
・ミラーの角度が変わると焦点位置がズレる
 可能性があり、加工品質の不安定さにつながる
・基本的に平面加工が前提、立体物には工夫が必要

集光レンズも「専用」が必要!

ガルバノスキャナでは集光レンズも専用設計のものを使います。ガルバノスキャナ用の集光レンズは「fθ(エフシータ)レンズ」と呼ばれ、角度θの補正を入れた特別なレンズなんです。
普通の焦点レンズを使うと下図左のように集光点の距離は一定となるため、斜めに入った平行ビームは円弧状に焦点を結びます。そのためスキャンエリアの中央と端で焦点位置の差が発生するワケです。

それに対しfθレンズは下図右のように斜めに入った平行ビームを補正し、スキャンエリアの中央と端で焦点位置の差が発生しないように設計されています。
garubano_02.jpg
さらにfθレンズには「テレセントリックレンズ」と呼ばれるレンズもあります。
通常は下図左のようにスキャンエリア端は若干斜めにレーザが入射されますが、テレセントリックレンズを使うことで下図右のようにスキャンエリア全体にレーザ光を平行に照射することができます。
(その分、スキャンエリアが狭くなるデメリットもありますが…)
garubano_03.jpg

XYZステージとの組み合わせで狭いスキャンエリアもカバー 
レーザックスの加工設備をご紹介

ガルバノスキャナを使えば高速高精度な加工ができますが「加工エリアが狭い」ことがデメリットとなります。
fθレンズのf値が大きくなれば加工エリアも大きくすることができますが、その分焦点スポット径が大きくなるため
高精度な加工と相反する結果になることもあります。

そのような弱点を克服するために、XYZステージにガルバノスキャナを取付けることも有効な手段です。
レーザックスではXYZステージ+ガルバノスキャナの設備構成で、ステップ&スキャンによる広範囲加工にも対応しています。

♠最長5mストローク!のXYZステージ+3Dガルバノスキャナ搭載可能な
 大型ハイブリッド加工機

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garubano_05.jpg ↑レーザテクニカルセンター(横浜市港北区新羽町)
では、5mストロークの大型3軸直交NC設備に10kWの
ファイバーレーザを搭載。
標準光学系だけでなく3Dガルバノスキャナも搭載可能で、様々なアプリケーションに対応できるハイブリッドレーザ加工機として試作・試験に対応しています。

←安川コントロール製3Dガルバノスキャナ
(YD-3000M-3.8)は大出力(8kWまで)投入可能。
3D機能で高さが違う部位にも連続して
レーザ照射することができます。

                


♠多彩な発振器と組み合わせてガルバノスキャナが使える
 レーザテクニカルセンター!
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garubano_07.jpg ↑レーザテクニカルセンターでは、多彩な発振器と
光学系を組み合わせることで様々なお客様からの
加工実験に対応可能。
先述の大出力発振器だけでなく、~2kW帯の
ビームモードが違う発振器も揃えており、
溶接をはじめ様々な用途にご活用いただけます。

←ARGES製2Dガルバノスキャナ(RHINO21)は最大走査
速度が15000mm/sと非常に高速なスキャンが可能。
fθレンズも3種類揃え、様々なスポット径での実験も
可能となっております。



♠ガルバノスキャナ+ナノ秒レーザで微細加工のスペシャリスト!
garubano_08.jpg
レーザックス本社工場(愛知県知立市)にはガルバノスキャナ+ナノ秒レーザの組み合わせで微細加工をメインとしたレーザ加工をご提案しております。
XYZステージとの組み合わせでステップ&スキャンによる広範囲加工も可能です。

ステップ&スキャンのレーザマーキング動画はコチラ↓
                

garubano_09.jpg

ガルバノスキャナ+ナノ秒レーザの組み合わせでの微細加工は、レーザックス レーザテクニカルセンターでも
対応することが可能です。レーザテクニカルセンターのナノ秒レーザは、ガルバノスキャナがセットになっております。


   ◆◆◆レーザックスは1個の試作・テスト加工からでもOK、ぜひご相談ください。◆◆◆

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