レーザ加工界の名脇役「○○ガス」さんの 「き」「ほ」「ん」を長年レーザ加工屋を営むレーザックスが語ります!
♦レーザ加工をやってると「○○ガス」ってよく耳にしますが・・・
レーザ加工でよく耳にする○○ガス。「当て方」を表現することもあれば「ガスの種類」「加工にどのように作用するか」時には「レーザ光を作る触媒」だったり・・・。とにかくレーザ加工における○○ガスはとっても複雑です。
今回はその○○ガスについて、少し整理してみようと思います。
●基本の「き」:加工にどのように作用するか?
レーザ加工で使い分けられる○○ガスで、基本でありながら使い分けが曖昧なのが加工にどのように作用するかを表現する○○ガス、「アシストガス」と「シールドガス」です。
「アシストガス」とは:
加工を手助けするためのガスであり、主にレーザ切断やレーザ孔あけで使われる表現です。鋼板のレーザ切断では酸素ガスを吹き付け「酸化反応」を利用して切断効率を向上させたり、ステンレス板のレーザ切断では溶融した金属を押し退けるために高圧の窒素ガスを吹き付けたりします。
「シールドガス」とは:
溶融した金属と空気を遮断するために使われるガスであり、レーザ溶接で使われる表現です。鋼板やステンレス板のレーザ溶接では不活性ガス(主にアルゴン)や窒素ガスで溶融金属をフンワリと覆うことで空気を遮断し、酸化防止を図ります。
●基本の「ほ」:ガスの種類で・・・
次の○○ガスはガスの種類です。ガスに依って品質や加工に対する効果が異なります。ここでは一般的なレーザ加工で用いられるガスについて説明します。
【レーザ切断の場合】
【レーザ溶接の場合】
●基本の「ん」:ガスの当て方も?
「同軸ガス」とは:
レーザ光路と同じ軸でガスを当てる方法です。基本の「き」で紹介したアシストガスを使用するレーザ切断は、溶融金属にガスを直接吹き付けたいため同軸ガスを使うことが多いです。
「サイドガス」とは:
レーザ溶接のように溶融金属にフンワリとガスを吹き付けたいときにレーザ光路とは異なるところからガスを当てる方法です。サイドガスの場合は加工に方向性が出てしまうため注意が必要です。
レーザックスでは以上の「き」「ほ」「ん」を、「加工性」「素材」「要求品質」などの様々な要素に合わせて選定・調整いたします。
こちらのページでも、加工アプリケーションごとのガスの当て方をご紹介しております!
→色々なレーザの加工方法
◆番外編:レーザの触媒で使われます
レーザガス:主にCO2レーザの発振触媒として使われているガス。
CO2-He-N2の混合ガスが一般的です。