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ハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機 OPTICEL FH

OPTICEL FHの設置面積はわずか1㎡

OPTICEL FHの設置面積はわずか1㎡

「ツールエンジニア」2014年7月号より

「ハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機 OPTICEL FHシリーズ」

株式会社レーザックス 新開潤子

はじめに

当社は1984年にCO2レーザ加工機を導入し、以来30年にわたりジョブショップとして顧客の試作加工、量産加工や研究開発などに対応してきた。多様なレーザ加工に取り組む中、顧客のニーズに応える形で2002年にレーザ加工周辺機器の自社設計製作を開始。レーザ加工ヘッド、ソフトウエア、レーザ加工装置を販売しており、特に信頼性とカスタマイズ性に優れたレーザ加工ヘッドが好評を博している。

2014年より自社製品のブランド名を「OPTICEL」としてラインアップをリニューアルした。そのリニューアルの目玉となるのが、ハンドトーチ型レーザ溶接機「OPTICEL FHシリーズ」だ。

開発の背景―――QCWファイバーレーザの登場

本機開発のきっかけとなったのは、2010年にIPGフォトニクス社よりQCWファイバーレーザ発振器が発売されたことである。QCWはQuasi Continuous Wave(疑似連続発振)の頭文字を取ったもので、パルス発振でのレーザピーク出力をCW発振比で最大10倍まで引き上げることができる。

図1:QCWファイバーレーザ発振器の特徴

図1:QCWファイバーレーザ発振器の特徴

当社が本機の開発を開始した2012年には既に数社が小型レーザ溶接機を発売しており、TIG溶接の課題を補う加工機として板金業界への導入が本格化していた。TIG溶接には、製品への熱影響が大きく、歪みが出やすいなどの課題がある。レーザ溶接には製品への熱影響や歪みが少なく、作業者の技量にかかわらず美しい仕上がりを得やすいなどのメリットがあり、TIG溶接の課題の一部を解決することができる。

先行他社の小型レーザ加工機は主にパルスYAGレーザを光源としているが、YAGの特性として発熱が多いため水冷の必要があり、電力消費量が多いため200V電源が必要になる。そのため小型ではあっても移動は難しく、主に定位置で使用されるケースが多かった。また、消耗品としてフラッシュランプやチラー水を定期交換する必要があり、そのランニングコストもユーザーの負担となっていた。

一方でファイバーレーザは、変換効率が良いため発熱が少なく省電力で、小型加工機に適している。ただし溶接できる出力を求めた場合、従来型では発振器が大型になってしまい、小型溶接機に搭載するのは物理的に難しかった。

しかし、ピーク出力を最大10倍に上げられるQCW発振器が登場したことにより、150Wや300Wクラスの小出力かつ小型の発振器でも溶接に十分な出力を得られるようになった。QCW発振器を搭載すれば、「空冷」で「100V電源」で「手軽に移動できる」小型溶接機を低価格で実現できる可能性が出てきた。そこで当社はQCWファイバーレーザ搭載のハンドトーチ型レーザ溶接機の開発への取り組みを開始し、2年間の開発期間を経て2014年春に発売した。

表1:一般的なYAGレーザとOPTICEL FHシリーズの比較

  一般的なYAGレーザの小型溶接機 OPTICEL FH シリーズ
冷却方式 水冷 空冷
電源 200V 100V
消費電力 例:22KVA 例:1.9KVA
移動 移動先にチラーと200V電源が必要なので移動には不向き チラー不要で100V電源なので移動先ですぐに作業可能
重量 500kg 程度 約190kg
ランニングコスト フラッシュランプ、水、フィルターなどを交換する必要があり、月額5万円程度必要。 ファイバーレーザ搭載のため、ほぼメンテナンスフリー。保護ガラスとノズルチップのみ交換してください。

場所を選ばないレーザ加工を実現

当社は「OPTICEL FHシリーズ」で、3機種のラインアップを発売した。特にFH-ZEROは敢えて発振器レスにすることで、ユーザーのイニシャルコストを大幅に抑える新しい提案だ。レーザ切断機や溶接機など、他の設備でファイバーレーザを使っているユーザーは、既存の発振器からファイバーを分岐して本機でレーザ溶接加工を行うことができる。

型式 FH-300 FH-150 FH-ZERO
発振器 300W/3000W QCWファイバーレーザ 150W/1500W QCWファイバーレーザ 発振器なし
特徴 300W/3000Wの高出力で各種金属の重ね溶接や金型補修が可能になるハイパワーモデル 150W/1500Wの中出力ながら、低価格で導入しやすいエントリーモデル 既にレーザ発振器を所有するユーザー向けに、加工機部分のみを安く導入できるモデル

「OPTICEL FHシリーズ」は、精密板金、量産板金、金型補修の現場で広く使用できる汎用性の高い小型加工機である。QCWファイバーレーザの特徴を活かし、空冷・100V電源・省エネのレーザ加工機を低価格で実現することができた。

ハンドトーチで自由度の高い手溶接を実施

ハンドトーチで自由度の高い手溶接を実施

本機の特徴として、

  • 手持ちで自由度の高い溶接ができる(狭小部の溶接や精密板金の仮付けに最適)
  • 使いやすいペンダント式コントローラ
  • ストッパー付きキャスターで移動・固定が簡単
  • 交換が容易なカートリッジ式保護ガラスを採用
  • 省エネ&低ランニングコスト

などがあり、従来のYAGレーザ採用の小型レーザ溶接機と比べても導入のメリットが大きいと考える。

安全面では、レーザ光は人体に直射すると危険であるため、3つの安全インターロックを搭載して意図せずレーザ光が出射されるのを防ぐ仕組みを作った。また、ランニングコストとメンテナンスコストを抑える配慮を随所にしており、定期交換部品はノズルと保護ガラスのみ。さらに本機に合わせて独自開発したカプラーと国産ファイバーを採用し、万一のファイバー破損の際にも修理コストを約半分にして短時間で交換できるようにした。

写真1:ハンドトーチで自由度の高い溶接が可能になった

本機で加工するメリットと加工事例

S字に手溶接を実施した例

図2:S字に手溶接を実施した例

ハンドトーチで溶接を行うメリットはいろいろあるが、まずは狭小部やオーバーハング部など機械ではアクセスしにくい部分の手溶接が可能になる点があ る。少量多品種の受託加工にも向いているし、量産の場合も本機で仮付けを行うことで段取り時間を大幅に削減できる。また、本機を使った手溶接であれば、大 型加工機では不可欠だった治具が不要になるケースも考えられる。いずれも工数またはコストを大きく削減できるケースが出るはずだ。

近年、板金加工の現場では大変高度な加工レベルを要求されるケースが増えていると聞く。高い外観精度は当然の事として、凝った外観デザインや曲線を多用した設計も増えており、他社との差別化の為には幅広い加工要求に対応する必要が出てくると思われる。

そんな板金業者の方々にはぜひ、「OPTICEL FHシリーズ」で行う自由な溶接を試して欲しい。TIGでは困難だった加工を実現し、仕上げの工数や治具、ランニングコストを削減。そのコストダウン分を 価格に転嫁すれば受注機会の増加にもつながるはずだ。貴社の発展の一助としてぜひ本機を活用いただきたい。

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